関水本線の機関車たち

埼玉県鶴ヶ島市に開業した関水本線には軽便鉄道*の車輌が全国各地から集まってきました。

けいべん‐てつどう【軽便鉄道】
線路の幅が狭く、機関車・車両も小型の小規模の鉄道。軽便。
「夜の―の、小さな黄いろの電灯のならんだ車室に」〈賢治・銀河鉄道の夜〉

デジタル大辞泉

今回はその中でも、6月9日に公開された車輌をご紹介します。

コッペル532号機
▲ ​コッペル532号蒸気機関車と34号客車。532号機のタンクには西武鉄道の社紋(いわゆる“野球マーク”)と「台糖」社紋が勲章のように並んでいる。34号客車は大正生まれの生き字引。

Oliver
▲ 蒸気機関車OLIVERと発電機搭載車OLIVE。車体更新により“イギリス風”の意匠に生まれ変わった。

Billy
▲ 内燃機関車BILLY。KATOからペーパーモデルキットとして製品化されている。

Oscar
▲ デモンストレーション走行をする蒸気機関車OSCAR。艶のある深紅のボディーは、“日本で一番新しい蒸気機関車”を物語っている。

6月9日にお披露目された車輌のスペック
車輌名 製造年 製造所 軌間 備考
34号客車 1921年 🇯🇵 内田鉄工 762mm 井笠鉄道(ホハ10)→西武鉄道山口線(34号車)
​コッペル532号機 1928年 🇩🇪 Orenstein & Koppelオーレンシュタイン・ウント・コッペル 762mm 台湾糖業公司→西武鉄道山口線(ともに532号機)
OLIVERオリバー 1948年 🇧🇪 Anglo-Franco-Belgeアングロ・フランコ・ベルジ 762mm 台湾糖業公司→野辺山SLランド(ともに362号機)
BILLYビリー 1964年 🇯🇵 酒井工作所 762mm 関東特殊製鋼(社内車065)→野辺山SLランド(No.143)
OSCARオスカー 2024年 🇯🇵 羅須地人鉄道協会らすちじんてつどうきょうかい 610mm

ナロー好きの幹事長は、BILLYが鶴ヶ島市役所の倉庫で保管されていた様子を撮影しておりました。
ディーゼル機関車No.143
▲ 野辺山SLランド時代の塗装のBILLY(ディーゼル機関車No.143)。2022年6月23日撮影。

2022年6月の時点では関水本線の全貌は未発表でしたので、とても楽しみにしていたのを覚えています。その約2年後に、鶴ヶ島が“ナローの楽園”になるとは夢にも思いませんでした。
関水本線の益々のご発展をお祈り申し上げます。

この記事を執筆するにあたり、カトーの公式サイトを参考にさせていただきました。


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